昨今、スチーム・パンクやレトロ・フューチャーで見かける、「空飛ぶ蒸気機関飛行船」や「こんな風に蒸気機関が進化すれば・・・」という類いのメカが醸し出す世界に興味を抱いています。
このレッカー付の蒸気動車は、そうした仮想世界の産物ではなく、実際世界において、自動車進化の過程で現実に存在した、蒸気機関で動く動力車です。
ガソリンエンジンやディーゼルエンジンで動く車たちに見慣れてしまった我々にとって、蒸気機関で公道を走行する「働く車」という存在自体が興味深いものです。
しかし、蒸気機関という単一の動力機構を用いて、車両の推進力を得て、さらにクレーンの動力源とする発想は、極めて合理的なものです。さらに、ゴムタイヤが当然視される現在から見つめてみると、この種の蒸気動車の車輪からは先人達の工夫の跡を垣間見ることができて興味深いです。
そうした蒸気動車も、さすがイギリスというべきか、律儀に車両の装飾塗装が施され、イギリス各地を走り回った蒸気機関車と同等の装飾が施され大事にされていたようです。
諸外国でも、蒸気動車のバスや消防車などの保存車両がイベント時には大活躍していますが、イギリスの蒸気動車は機能面においても外観においても頂点にあるのではないかと思います。
そうした車両を手軽に楽しめるのは、オクスフォード・ダイカストならではだと思います。